ひかりとかげ

藤城清治 光と影の奇蹟

藤城清治 光と影の奇蹟

この人の捉える世界が不思議で、一度作品そのものを生で触れてみたいなぁというひそかな思いをずっと抱いてる。
全部切り絵にしてみようというその発想が奇跡の産物で、芸術なんだろうなぁ。作品集を手に取る分にはわからないけれど、実際に展示されている絵は、ものすごく分厚いらしい。いっぱいいっぱい重ねてグラデーションを生み出しているらしい。作品集ではわからない、切れ目がいっぱいあるらしい。あー「らしい」をなくしたいなぁ、見たい!*1


この世にすでに存在する物語を絵にしている作品があって、印象に残っているのが、「ノアの方舟」のお話。
確か、ノアがあの方舟に乗せていった動物は2匹だけだったように記憶しているけれど、この作品ではほんといっぱいの動物が船に乗りこんでいく。(こっちの説もあったような…あやふや)その動物の表情がなんともいえなくて。その後、大洪水が起きて、バベルの塔を造っていく部分まで描かれてる。あの、ブリューゲルバベルの塔も素晴らしいけれど、こちらは、造ってる人の表情まで出ていて、どちらも素晴らしいなぁ。世界史を、もう一度勉強しなおしたいと思った次第・・・

*1:まぁこの方を知ったきっかけが「光と影」というフレーズで、にのさんに触発されたなんてそんなことまっさか言えないよね…ね…