ラストシーン
本当のさよならをしても
温かい呼吸が私には聞こえている
別の姿で 同じ眼差しで
あなたはきっとまた会いに来てくれる
/花の匂い
ひとり、患者さんが亡くなった。最期まで一緒にいさせてもらった。
何が現実かわからんかった。だんだん冷えていく手、叫ぶ家族、鳴り響くモニター音。
帰ってきた瞬間、泣いた。
わたしたちは、命の前ではなにもできない。
それをどうにかしようとしてもどうにもできないことがある。
そばで名前を呼ぶことしかできない。家族に手を握ってあげてと言うことしかできない。なにもできない。。何かできると思ってたのだろうか。わたしはなにかできると思っていたのだろうか。
でも...
看取ったあと、ご家族が、「いつも声をかけてくれてありがとう。あなたはいつも気にかけてくれてるの。」と言ってくれたことを涙が出て思い出した。
嬉しくなかったと言えば大嘘になる。実際嬉しかった。
でもわたしはそんなことしかしていない、なにもできていなかったんだ...
なにかもっと、もっとできたことはなかったか...
そう思う。
でも、ご家族が言ってくれたこと言葉が、そんなわたしの、なにもできないわたしの、精一杯を受け止めてくれた気がして、
なんでこんなに看護師は患者さんやそのご家族に助けられるんだろう。
毎日毎日、、、、ごめんねありがとう。
だからわたしは明日も行かなければならない命の現場に。
学ぶことがあるんだ。これからの命との向き合い方を。