誰が悲惨か

自分探しというのは実は人探しなんだと言えるかもしれない。
劇場でやってるうちにどうしても観たくって、こんな時期だけど息抜きにレ・ミゼラブル行ってきた。




「夢やぶれて」を一度演奏したことがあって、話は大まかに知っていたのだけれども、今回「感じる」ことができてよかったと思う。もう一度演奏したい。


ミュージカル映画というと、「失敗しやすい」という印象があるので、今回はどうだろうかと、楽しみにしながら弱冠の不安を抱えていた。
好き嫌いが別れるだろうけど、わたしはこの映画、好き。


どの立場が正義なのか、よい意味でわたしはどの人物にも感情移入できなかった。それは、今生きてる世界があまりにも飽和していて、何が「豊」なのかわからなくなっているという背景もあると思う。今の時代にないものが、あの時代には何かあると言えるし、逆に、最初から最後までどこかに垣間見える民衆の「無関心」は、今の日本に確実に存在するようにも思える。今のような現状が続いてしまうとすれば、「レ・ミゼラブル」は永遠にこの世界にとって必要な作品だと感じた。


感情移入できなかったとは言ったが、涙は止まらなかった。それは、それぞれの正義が交錯していて、自らの正義を貫く、あるいは手放すときの人の魂が歌によって知らないうちに伝わってきたから。震撼したという言葉がしっくりくる...


俳優陣やスタッフのインタビューを読んだが、映画に出てくる人物が本当に存在するように見えた理由がよくわかった。歌を後入れするのではなく、演技と一緒に撮影したことは、わたしにはこの映画の成功に繋がっているように感じられた。アンの「夢やぶれて」は圧巻、この作品に不可欠なジャベールの存在感と、最後の「民衆の歌」。オーケストラの生演奏を劇場で聴いて、役者さんが舞台で演じ、その背景にたくさんの美術演出、衣装を間近で見て、なにかコンサートに来たようで、そしてあのカメラワークを自分がしているようなもういろんな感動がありすぎておなかいっぱいでごはんも食べられなかったぐらい。


にのみやくんがよく言ってる、「アイドルとしてお芝居する意味」ってあるじゃないですか、今回は全員がミュージカル俳優ではないし(しかしヒューが舞台し出身というのは重要かつ、ヒューじゃなくてはこの映画はまとまらなかったと思う)
オペラをやってるわけじゃない。だからこそ伝わるものというか(もちろんみなさん音楽うまい!)セリフを話してるのではなく、感情がそのまま歌として出てきて指しまった、と感じることができて、本当に「よかった」


本当にいいもの見たなぁ...こんな映画があるって素晴らしいなぁ...


また試験が終わったら観に行きたいと思う。


物事はすべて表裏一体だ。